石のような無類の安定部品「抵抗器」でゲインを決められる1石アンプ

摘要

図1に示すのは，教科書に出てくるトランジネタ1個のアンプ「エミッタ接地増幅回路」です．トランジスタはベースを直流電圧で持ち上げる（直流バイアスする）と，増幅動作を始めます．図1では，R_1とR_2の2本の抵抗で電源電圧を分圧してベースに加え，トランジスタを直流バイアスしています．直流バイアスに交流信号を載せてベースに入れると，振幅が増した信号がコレクタから出てきます．この回路は大きな問題を抱えています．ベースに加えた直流バイアス電圧がほhの少し，たとえば18mV低下するだけで．トランジスタの増幅率が半分に低下します．逆に，18mV上昇すると，トランジスタの増幅率は2倍に増します．正に振れた信号に対してほどゲインが大きく，負に振れた信号に対してほどゲインが小さくなるわけですから，出力される信号は大きくひずみます．また，電源電圧が変動してもゲインは変わりますから，電池で動かすと優っているうちに音が小さくなるでしょう．