横須賀無線史 - 第2回 無線電信調査委員の横須賀集結から，日本海海戦，世界初の無線電話機開発まで

摘要

一方，海軍の海軍大学校は，新橋の逓信省および電気試験所に隣接していましたが（現在の築地市場の位置），別々に研究していてはマルコーニに追いつけないと判断し，逓信省との共同研究を提案し，1900年（明治33年）に無線電信調査委員会を設置し，電気試験所の松代松之助と第2高等学校の木村駿吉を海軍技師として招聘しました．最初は汐留や築地で研究していましたが，通信距離や通信の安定性に十分な成果が出ないため，委員会メンバーを横須賀の海軍工廠へ移しました．前述のとおり横須賀は，当時の最先端の技術や設備を持つ近代工業都市でした．もちろh松代技師は東京電信学校に学び，電気試験所では優れた技術開発力を発揮していましたし，木村教授は帝国大学理科大学院に学び，米国ハーバード大学大学院イェール大学大学院へ留学するほどの学識を持っていました．