火花放電式送信機，コヒーラ式受信機，モールス印字機を手作りする - 火花放電式無線電信機の実験

摘要

無線通信の発明と実用化は，真空管や半導体の発明より古く，1800年代に遡ります．電波を火花放電で発生させると，離れたところに置いた円形ループ·コイルの間隙に火花放電が生じるのを発見したのが有名な「ヘルツの実験」（1887～88年）でした．ヘルツの実験では，到達距離は十数mだったようです．送信側の火花電力を大きくすれば，より遠方でも受信火花を観測できるだろうことはH．R．ヘルツもわかっていたでしょう．しかし，ヘルツの実験の趣旨は「電波が実在することを確かめる」という学問的なもの（真理の探究）だったので，これで十分でした．なお，この距離は，電波反射板との距離です．ヘルツは，この距離を定在波を確かめるために変化させたのであって，どこまで届くかを確かめようとしたのではありませhでした．