5G時代に期待される小容量／長距離／低コスト／超低消費電力の無線: IoTの無線通信

摘要

IoTとは"Internet of Things"の略で，身の回りのあらゆるモノがネットワークにつながることを意味します．時には人が関与することなく，モノが直接情報をやり取りするような通信です．例えば，自動車，家電，街頭カメラ，時計，温度／湿度／加速度センサなどのモノが自らネットワークにつながり，情報をやり取りしたり，情報を蓄積したりします．携帯電話と無線LANは「高速／大容量」の通信を実現するために無線技術を進化させてきましたが，IoTでは「小容量／長距離／低コスト／超低消費電力」の通信方式が求められます．図1は代表的な無線通信の通信距離と通信速度を示しています．携帯電話，無線LAN, Bluetooth, Zigbeeなどの通信方式がありますが，IoTとして利用するにはそれぞれ一長一短があります．そこでIoT向けにさまざまな新しい通信方式が登場しており，これらを総称してLPWA（Low Power Wide Area）と呼びます．ここではBluetooth, Zigbee, LPWAなどの概要を紹介します．