ポリエステル原料、需要は総じて堅調～新設備の稼働状況が焦点に－中国を中心に大増設進む／2020年が需給の転換点に－

摘要

ポリエステルの市場規模は世界全体で7，000万トンに達し、世界市場で確固たる地位を確立したと言える。米中貿易戦争の影響が懸念材料ではあるものの、今後も年率5％程度の安定成長が続く見通しだ。原料であるPX（パラキシレン）、PTA（高純度テレフタル酸）、MEG（モノエチレングリコール）も同様の需要伸長が見込まれ、力強い需要を背景に総じてタイト気味の需給バランスが継続している。ただ、いずれも事業環境の好転に伴 い、新増設計画が勢いづいてきた。PXは年間200万トン、PTAは300万トン、MEGは 150万トン程度の需要増加が見込まれるが、計画されている新増設能力はこれを大きく上回っている。今後の需給バランスは、新増設プラントの稼働状況が焦点になりそうだ。