【連載：しなやかなタフポリマーへの取り組み（ImPACT伊藤プログラム）第6回】 ガラスを代替する高剛性·高タフネスな透明樹脂

摘要

持続可能な社会の実現に向けて、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標（SDGs)が国連で採択された。この目標の中で、とりわけ緊急の対応を要するものは気候変動に関する問題である。国連気候変動に関する政府間パネル（ーPCC)の第5次評価報告書によると、このまま地球温暖化への対策がなされない場合、21世紀末には産業革命前から最大で4.8 °Cの気温上昇が予想されている。この気温上昇は、世界規模での食料安全保障上の大きなリスクとなりうるなど、きわめて深刻な影響を及ぼす。この人類のリスクを回避するため、2015年COP21において合意した「パリ協定」の「産業革命前からの気温上昇を2 °Cよりも十分低く抑える」という目標を実現するために、国際社会は直ちに行動を起こさなければならない。