溶接材料ISOの制定とISO整合化JISの改正状況

摘要

溶接材料は広く産業界で活用されている基礎材料であり、我が国では、国際運航される造船や米国基準が適用される一部の構造物を除いて、古くからJISが適用されてきた。しかしながら、昨今のすさまじい産業構造のグローバル化進展と、中国をはじめとする日本周辺東南アジア産業の台頭を受けて、日本国内だけにもっぱら通用するJISでは大きな国際潮流の中で置き去りにされる可能性は大きく、製品の品質、性能、寸法、試験方法などに関する国際共通基準に合致させておく必要があった。また、国際市場における円滑なグローバル取引には、相互理解、互換性の確保、消費者利益の確保を図ることが重要であり、各国標準をこえた国際標準化が要望されており、かつ我が国の先進技術·製品の国際的な普及のためにも、技術内容が国際的に理解できる形で共有されている必要があった。