(PS176)高温短時間プラズマ窒化とDLC コーティングの複合処理における表面堆積物と窒化層厚さの影響

摘要

ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は耐摩耗性に優れた皮膜であるが、皮膜を形成する際の基材との密着性はそれらの物性の整合性に影響される。そのため、窒化などの基材を硬化する処理と組み合わせた複合処理を施すことで、整合性改善の取り組みがなされている。窒化法の一種であるアクティブスクリーンプラズマ窒化(ASPN)は、従来の直流プラズマ窒化(DCPN)で問題とされているエッジ効果やアーキングを解決する方法として注目されている。しかし、ASPN 処理を行うことで試料表面に堆積物が生じ、DLC の摩擦特性や密着性に影響を及ぼすことがわかっている。そこで本研究では、基材のオーステナイト系ステンレス鋼SUS304 に対してASPN 処理後に研磨を施し、その後DLC 成膜を行い、ASPN 処理で生じた堆積物の有無、および堆積物を取り除いた場合において窒化層厚さがDLC の摩擦特性および密着性へ及ぼす影響を調査した。