(J036)低中C 焼入れマルテンサイト中のC 分布のアトムプローブ解析

摘要

現在、実用化が進hでいる高強度マルテンサイト鋼の多くは、溶接性や靱性を確保するため低中C 成分である場合が多い。このため、低中C域でのマルテンサイトの組織形成の実態や、機械特性との関連の理解は重要な課題である。Ms が室温以上となる低中C 成分のマルテンサイトについては、焼き入れままの状態でも、変態後冷却中のオートテンパーにより転位上への偏析や鉄炭化物析出が起こることが報告されている[1]。一方で、強化機構を議論する上で必要な、種々の存在状態にあるC の量については定量的なデータが少ないのが現状である。本報告では、焼入れまま低合金マルテンサイト中のC 分布に及ぼす添加C 量影響について、アトムプローブ(AP)により調査した結果を示す。