(S255 )X 線回折法を用いたFe-Ga 合金単結晶の磁歪および初期磁区評価

摘要

磁歪合金は磁歪?逆磁歪現象を利用してアクチュエータ，センサなど多くの製品へ適用することができる．その中でも，我々は，従来の磁歪合金であるFe-Tb-Dy 合金に比べ磁歪量では劣るものの加工性や原料コストの面で優れ，実用的な磁歪材料であるFe-Ga 合金に着目した．Fe-Ga 合金の実用化を推し進める上で，磁歪?逆磁歪の挙動や特性を知る必要がある．そして，磁歪?逆磁歪ともに磁区構造の変化量でその大きさが決まる．また，磁区構造は三次元的な構造であるため，顕微鏡による表面観察だけでは評価することができない．すなわち，磁区が三次元的な構造であることから，より詳細な磁歪挙動の評価をするには三次元的に磁歪測定をする必要がある．そこで本研究では三次元的なひずみ解析が可能なＸ線回折法を用いて磁歪挙動の三次元評価を行うと共に，その磁歪挙動から初期磁区比率を予測することを目的とした．