(S044)回転円柱によって誘起される固液２相流の数値解析

摘要

精錬プロセスにおける反応は、主に溶鉄-スラグ間反応によって進行するが、工業プロセスにおけるスラグは均一融体ではなく、未溶解CaO や晶出粒子、溶鉄滴、気泡などを含む固気液界面を有する混相流体であり、液相単体での流動特性とは異なる挙動をとることが知られている。固体粒子や気泡などの異相を導入したシリコンオイルを模擬スラグとして取り扱い、レオロジー的挙動が評価されているが1,2) 、実験制約から測定値が得られない条件が生じる可能性があり、その場合には数値流体力学的なアプローチが寄与すると考えられる。従来の数値計算では計算点を固定した格子法が主に利用されてきたが、流体とともに移動する異相物体を同時に取り扱う際に難点があった。近年では固定した計算格子を用いないメッシュフリー法として粒子法が発展してきており、異相物体と流体を同時に処理することが容易である。本報では、粒子法のうち、MPS（Moving ParticleSimulation）法3) を用いて上記課題への適用の可能性について検討した。