(S286)低合金鋼のオーステナイト逆変態挙動に及ぼす初期組織と保持温度の影響

摘要

マルテンサイトやベイナイトを母相とする高強度鋼板を製造するためには、オーステナイトを得るためのオーステナイト化処理（溶体化処理）が必要不可欠となる。そして、鋼の焼入れ性を確保するためには、昇温ならびに高温保持中で生じる合金元素の拡散を伴ったオーステナイト逆変態挙動を十分に理解することが重要となる。そのため、これまでにフェライトとパーライトを初期組織とする低合金鋼を中心に、そのオーステナイト逆変態挙動が調査されている1) 。本研究では、より基礎的な知見を得ることを目的に低合金鋼を対象とし、そのオーステナイト挙動、とくにオーステナイト核生成サイトに及ぼす初期組織ならびに逆変態温度の影響について調査した。