(S435)超撥水·超撥油性ステンレス鋼の作製

摘要

近年，超撥水性を示すハスの葉の階層構造を模倣して，人工的に超撥水性さらには油にも全く汚れない超撥油性を示す表面を作製する研究が精力的に行われている。当グループでは，実用金属であるアルミニウムの化学エッチング／アノード酸化により，マイクロメーターサイズのエッチピットとナノサイズの細孔をもつ多孔質皮膜からなる階層構造を構築し，これを湿式有機単分子コーティングすることで，エタノールやオクタンなどの低表面張力液体にも全く濡れない超撥油表面の作製に成功している。ステンレス鋼も代表的な耐食金属材料であり，化学プラント配管や建材等に広く使われており，この表面を超撥油化できれば，防汚，着雪·着氷防止，流体抵抗低減表面などとして応用が期待される。そこで，本研究では，ステンレス鋼のエッチングやアノード酸化といった表面処理プロセスを用いた超撥水·超撥油表面の作製について検討した結果について報告する。