マグネタイトのマイクロ波熱炭素還元における微視的な画像計測および発光分光Microscopic and Micro-spectroscopic Investigation for the Microwave Carbothermic Reduction of the Powdered Magnetite

摘要

マイクロ波粉体製鉄が永田·佐藤により提案され日産2.5 - 4 t-HM の科学技術実証炉の建設が平成21 年 度から開始される1)。マイクロ波製鉄の原料加熱電力に原子力や太陽光などのクリーンエネルギーを充てる とすればその炭素使用率は高炉でのそれの約半分と期待される。マイクロ波製鉄の基礎研究では加熱途中に おいて可視発光体が原料表面近傍で観測される。この発光体は原料表面での微視的マイクロ波局所加熱より 発生する～1 eV の大気圧プラズマと考えられている。発光体と接する原料粉体表面の温度は典型的には ~700 °C から~1000 °C まで上昇する。このとき炉内部のマイクロ波の吸収量が増加する。解釈の一つとして マイクロ波がプラズマに吸収され，その熱で原料が加熱されるという一つのエネルギー経路が系に加わった と想像されている。本研究ではその加熱機構の解明を目的とした微視的（ミクロン－ミリオーダー）画像計 測および発光分光を進めている。加熱機構に関するプラズマ諸量（たとえば平均自由行程，デバイ長など） の空間尺度がそのオーダーに入る。原料粉末の平均粒径も同スケールになり得る。