熱間プレス用溶融めっき鋼板を用いた超高強度自動車用部品の開発

摘要

近年、自動車産業では燃費向上及び車体衝突安全性を確保するため、超高強度鋼板の適用が求められている。 しかし、自動車に広く使用される薄鋼板においては、鋼板強度の増加に伴って、プレス成形性か低下し、複雑な形状を製造することが困難になってきている。 一方、鋼板をオーステナイト域に加熱した後、所望形状の金型内で成形と同時に急合する熱間プレス方法では、複雑な形状を寸法精度よく成形することが可能である。 しかし、熱間プレス成形は、加熱した鋼板を加工する成形方法であるため、表面酸化は避けられず、また、高温で生成された鉄酸化物はプレス時に脱落して金型に付着して生産性を低下させたり、あるいはプレス後の製品にこのような酸化物膜が残存して不良となる問題がある。 しかも、酸化皮膜は塗装性に悪影響を及ぼすため、ショツトブラストなどの後処理プロセスで鉄酸化層を除去ずることが必要となるが、これはコスト増の原因となる。 このような熱間プレス成型時の表面酸化の問題に対する対策としてめづき鋼板の適用が考えられる。 そこで、本報では合金化溶融亜鉛めっき鋼板とアルミめっき鋼板を用いて熱間プレス法でセンターピラーを製作し、機械的性質及びめっき層の特性について調べた結果を報告する。