溶融金属用熱線流速計の開発

摘要

溶融金属内の流れを目で捉えることは困難であり，その流れを計測できるセンサーは存在しない，例えば製鉄プロセスではシミュレーションは行われているが，実際にその流れは測られていない。 より効率の良い安定した操業条件の設定を可能とするためには流れを正確に知る必要がある。 本研究では流速計の一つである熱線式流速計に注目した。 これは，加熱電流を流した細い金属線を流れにさらしたときに冷却の程度が流速に依存することを利用する流速計である。 しかしこれを溶融金属に適用する場合，密度の高い金属中に入れることによる金属線の破断，試料中への漏れ電流の発生，金属線と試料の反応の恐れがある。そこで本研究では金属線をセラミック管に巻きつけることで強度を上げ，Al_2O_3絶縁皮膜を施すことで漏れ電流及び溶融金属との反応を抑えた。今回の実験では，溶融金属内においてこの方式が流速計として適用可能か検討することを目的とする。