Ph染色体陽性急性リンパ性白血病の特徽と治療

摘要

フィラデルフィア（Ph)染色体陽性急性リン パ性白血病(Ph-positive acute lymphoblastic leukemia: Ph~+ALL)は成人急性リンパ性白血病 の約20-30%を占める極めて予後不良な疾患 である.寛解には60 -90%到達するが，disease free survival (DFS)は短期間で，結果とし て，可能な患者に関しては第1寛解期での同種 造血幹細胞移植（allogeneic stem cell transplantation: Alio-SCT) が勧められ てきた. また.高 齢者においては治療関連毒性のため，十分な治 療が行えなかったのも予後不良の一因であった. 近年，チロシンキナーゼ阻害剤（tyrosine kinase inhibitors: TKI)の併用で治療成績が改善 しつつあるため，治療戦略について概略する.