金属光造形複合加工の精密金型への適用の可能性

摘要

金属光造形複合加工法は専用に調合された金属粉末にレーザーを照射して焼結·積層をしながら、同時にミーリングによる仕上げを行っていく工法であり、積層造形法による高速な3Dモデルの実体化と切削による表面精度を実現する次世代の金型製造法の1つである（次頁図1参照）。 本工法の主なメリットとしては、以下の4項目があげられる。 ① 深溝を有する形状を有効刃長の短い工具で加工できるため、工具の逃げが少なく、形状再現性が高く、早い送り速度で加工できる。 ② 内部に自由水管を実現できるため、より理想的な冷却回路を金型内部に設計できる。 ③レーサー焼結をコントロールすることで、ポーラス状態が実現できるため、ガス抜き回路を金型内部に実現できる。 ④ 一体構造で金型を作製できるので、加工誤差の集積が少ない。 したがって、製品精度を実現するのに必要な加工精度は、部品を多数組み立てる従来工法より緩めで済む。 逆にデメリットとしては、以下の3項目があげられる。