位置センサ付きセンタリングブロック

摘要

3次元形状を主体とする自動車用プレス金型において、素材および工程品を正しくクランプすることは、金型の主要件の一つであるが、加工中のクランプ状態はブラックボックスで、加工品の良否または金型破損を見て、金型の異常に気がつくのが現状である。例えば、ドローダイで素材が複数枚投入されたり、後工程でピアスカス上がり、ごみ噛みが金型表面に発生したりする場合、思わぬ金型の破損や、多数の成形品に不良を発生させるなどの問題が、プレス生産上の大きな課題になっている。「かしこい金型研究会」では、このような問題を解決するために、金型内にイレギュラーな状態が発生したその時点、すなわち実加工開始前に、金型自体がその異常を検知する仕組みを検討し、開発を進めてきた。本稿では、その開発内容と試作品による実験成果を紹介する。