金型技術者のための金属粉入門 第4回 MIM（金属粉射出成形）－時計部品から始まった新工法

摘要

MIM（ミム：Metal Injection Method）は金属粉射出成形法を意味し、プラスチック用の射出成形機をそのまま使用して成形体をつくり、焼結することにより、真密度相当の製品密度のものが得られる。また、寸法精度および外観が良好で、後加工不要のネットシェイプ工法である。金属粉は、球状で20μm以下のアトマイズ粉を用いる。射出成形時のバインダは樹脂が受け持ち、脱バインダ（脱バイ）後はわずかに残存している樹脂で強度をもたせている。当初はセラミック粉を使ったCIMでスタートしたが、CIMとMIMを合わせてPIMと呼ぶこともある。Pは「powder」である。1980年に米国でWITECプロセスが公開され、その実施権を国内数社が得て始まった。