馬場教授の海外金型見て歩記 第7部－［ブラジル編］ブラジル自動車産業政策の検証：Inovar-AutoからRota2030へ その2

摘要

前回紹介したブラジルの旧自動車政策（Inovar-Auto）は、EU（2014年）や日本（2015年）によってWTO違反として提訴されていた。規定の製造工程を国産化した自動車メーカーには工業製品税（IPI）が43%から最大13%まで減免される内容が、WTO の禁じる 用命人品への差別的扱い」に抵触するとしたのである。ブラジルは、「環境への対応や安全性向上のために国内生産を求めている」としてこれに反論した。 しかし2017年8月30日、WTOは日本の主張を全面的に認める報告書を公表したのである。Inovar-Autoはもともと2017年末までの政策であり、期間終了とともに自動的に幕を閉じることになった。こうした経緯もあって、ブラジルの新自動車政策の内容には各国から注目が集まっていた。