金属材料·表面処理② No.318：金型の寿命向上とつくりやすさを両立した次世代冷間ダイス鋼「SLD-MAGIC」

摘要

近年、自動車の地球環境保護のための軽量化や安全設計のために高張力鋼板（以下ハイテン）の使用が急速に拡大しており、プレス加工において難成形性から金型にかじりや摩耗が発生しやすく寿命向上が課題となっている。 一方金型業界においてはアジア諸国との競争を勝ち抜くためにコストダウンや納期短縮が必須となってきており、削りやすく、熱処理や表面処理による寸法変形の少ない金型材料の開発が望まれてきた。 これらのニーズを満たすため、従来鋼（SKD 11やSKD 11改良材）の特性を超える画期的な次世代冷間ダイス鋼SLD-MAGIC（略称としてS-MAGIC）を開発した。 この特徴と応用例について紹介する。