微細な金属組織の実現と省エネ、省スペース、低コスト、稼働性を追求した「ナノキャスト法」

摘要

鋳造業界は自動車産業機械なとの基幹産業が必要とする高品質の鋳造品を供給する役割を担っている。 今、鋳造業界に求められることは高品質·低コストを可能とする技術革新である。 その役割を担うべく、当社ほ鋳造業界の発展に寄与することを目的として設立された。 近年のダイカストは、さまざまな分野や製品で発展しており、その分野として自動車、電気機静、産業機器、精密機器へと展開され、従来のダイカストの定義を超えたダイカストへ七発展しつつある。 従来のダイカストは鋳造欠陥が多く、強度のばらつきが大きいことや、ガスの巻き込みが多く、熱処理もできないことから高強度部品への適用は困難とされてきた。 しかし、高品質、高機能を要求される製品が多く、新しい技術開発が望まれている。 このような背景から熱処理·溶接·高強度を要求される部品への対応可能な技術として、低速充填ダイカスト法、PFダイカスト法や高真空ダイカスト法などが開発されている。 さらには半溶融·半凝固鋳造技術が生まれてきた。 半溶融·半凝固技術はM.I.T.のDr. Flemings らによって研究された。 その後、芋溶融半凝固技術は量産化に向けて各種開発がされている。 日本国内でほ半溶融技術を東京理化工業所が量産化を行い、さらに、近年では宇部興産機械が新たな半凝固鋳造技術を開発された。 これらの量産化に向けての技術は鋳造組織が球状化された均一な組織を示し、従来のような破断テル層や塊状組織のない品質の安定した製品を製造することが可能となった。 しかし、装置の大きさ、半溶融·半凝固金属の生成時間がかかるなどの問題がある。 これらの問題を解決するために、延世大学の洪らが新しい半凝固技術を考案した。 本稿では金属組織の球状化プロセスと従来に比べ、短時間で製造し、微細な組織の半凝固スラリーを製造およびダイカスト合金への適用について、可能となった点について述べる。