型内樹脂流動の確認方法およびZero-moldingによる流動制御

摘要

射出成形機は油圧式から電動式への移行により、高応答性および繰り返し安定性が大幅に向上した。今後、国内だけでなく海外でも電動式成形機の入替が進hでいくと考えられる。しかし最新設備の電動機を使っている客先でも、メーカーに要望することの8割は成形不良が起こらないことで、不良のうち5割が樹脂の余剰充填（バリ）および充填不足（ショート）である。現状の機能では、まだまだ成形現場の要望を完全には満足していない。バリおよびショートは、樹脂の充填プロセスで発生する。射出成形機は加熱筒の中にある溶融状態の樹脂を、設定された速度でスクリューを押し出して金型に充填させ、冷却により樹脂が収縮した分を後で補充する。従来の方法では、樹脂に無理な力がかかったまま金型に完全充填させがちになる。多数個取りの場合、バリおよびショートを同時に発生させる原因になる。当社では、金型内部の樹脂流動を制御する必要性に着目した。この問題の解決に、Zero-molding システムという成形方法を提案し、最新成形機（SE-DUZ、HSZ、HDZ、CLシリーズ）に搭載している。本稿では、Zero-molding機能の開発段階で可視化金型を利用した型内樹脂流速の計測事例について紹介する。