高精度リブ溝加工用テーパボールエンドミル「EB4HR」の加工事例

摘要

プラスチック製品には強度を確保するためにリブが無数に設けられており、これに対応するプラスチック金型にも多くのリブ溝が設けられている。このリブ溝は、一般的に放電加工を用いて加工することが多いが、電極作製を含めた放電加工や磨き工程の時間削減の観点から、切削による直彫り加工が望まれている。切削加工では、一般的にロングネックのボールエンドミル（以下、従来工具）を用いた等高線加工を行う。その際には加工能率を考慮して、首下長の短い工具から長い工具へ順次交換しながらリブ溝を彫り進めていくが、工具交換時に加工段差が生じてしまう。この段差は、成形品を抜く際の離型性を著しく低下させるため除去する必要がある。しかし、一度生じた段差は仕上げ加工を行っても除去することが困難であるため、実際に直彫り加工が適応されているのは工具の外径Dcと首下長Lの比率がL／Dc＝10以下の浅いリブ溝がほとhどである。そこで、本稿では直彫り加工の適用範囲の拡大を目指し、加工段差を抑制する加工方法と工具形状について検討を行った。