射出成形金型 設計計算再入門 第26回 最適な型材の選び方（その2）

摘要

前回は、使用目的に即した型材の選定ポイントについて述べた。今回は、プラスチック材料から見た選定方法や耐久性の判定基準、耐用ショット数など、さまざまな要求を満たすポイントを述べる。プラスチック材料には、プラスチックの改質のための添加剤や、強度アップのためのガラス繊維や炭素繊維、さらに金属粉末を絡めた材料などが使われる。金型は、それらの要求に対処できる材質や表面処理などを含めて選定する必要がある。ポリ塩化ビニルにおける塩素ガス、フッ素樹脂でのフッ素ガス、難燃性樹脂でのハロゲンガスなど、成形時の熱分解により発生する腐食性ガスに対しては、耐食性がよいステンレス鋼を使用する。場合によっては、プリハードン鋼に硬質クロムめっきを施して対処することもある。