セボフルランの皮膚血管運動反射を指標とした最小肺胞濃度（MAC_(BVR)）に及ぼす亜酸化窒素の影響

摘要

30－60歳の予定開腹手術患者37症例を対象として，セボフルランの皮膚血管運動反射を抑制する最小肺胞濃度（MAC_(BVR)）と血行動態変化，それに対する亜酸化窒素の影響を検討した。 セボフルランMAC_(BVR)は1．75MACとなった。 セボフルランでは，指尖血流量反応で見た体性交感神経反射と血行動態上昇が関係せず，吸入麻酔薬が異なると交感神経興奮反応が組織により異なることが示唆された。 50％亜酸化窒素は，MAC_(BVR)の合計MACを1．43MACに減少させただけでなく，皮切時の収縮期血圧上昇をセボフルラン単独の41．6(+-)20．4 mmHgから24．6(+-)10．2 mmHg，心拍数上昇を35．4(+-)12．5 beats·min~(-1)から18．1(+-)9．5 beats·min~(－1)に減少させた。 亜酸化窒素は，セボフルラン麻酔の有用な麻酔補助薬である。