高度心機能低下を伴う頸動脈狭窄症に対する 頸動脈ステント留置術の周術期管理の経験

摘要

従来，内頸動脈狭窄症に対しては内膜剥離術が 多く行われてきたが，近年，内頸動脈ステント留置術（carotid artery stenting ： CAS)が導入され，症 例数の増加とともに内膜剥離術と遜色のない成績 を上げるようになった。CASは，その軽微な侵襲 により局所麻酔下に行われることが多く，麻酔科 医がかかわることは少ない。今回，心機能低下の ため麻酔科管理を依頼され，周術期に著明な循環 抑制を認めた症例を経験したので報告する。