IPS細胞を用いたパーキンソン病治療に向けて

摘要

高齢化時代を迎えるにあたり，パーキンソン病 の有病率も上がりつつある。パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞 が進行性に脱落することにより，手足の震えやこ わばり，運動低下などを生じる疾患である。多くは50歳以降に発症し，日本には約14万人の患者 さhが，米国には65万人の患者さhがいるといわ れている。パーキンソン病の標準治療は内服治療 である。内服治療は治療開始時には非常に有効で あり，多くの患者がその恩恵を受けている。しか し，長期に及ぶL-dopa製剤の投与により抗パーキ ンソン病薬の効果持続時間が短縮し，薬物濃度の変動とともに症状が変動するゥヱアリングォフ， 急激的?突発的に効果消失が起こるオンオフ現 象，不随意運動であるジスキネジァなどの運動合 併症が出現する。