高性能Sm-Fe-N系異方性ボンド磁石材料

摘要

今日、希土類ボンド磁石は良好な形状自由度を活かして、OAやAV用途を主としたモーターやセンサーなどに広く用いられている。近年、中国など海外へ生産がシフトし国内の希土類ボンド磁石生産金額は2000年に126億円、2001年に115億円と減少傾向にあるものの、世界では2000年に548億円、2001年には555億円と成長していると見られている（日本ボンド磁石工業協会推定）。 このほとhどは、Magnequench International社が供給する等方性Nd－Fe－B系磁石粉末（MQ粉）を使用したものである。 住友金属鉱山では、このMQ粉を用いたボンド磁石材料に加えて、さらにコストパフォーマンスの高いSm－Fe－N系異方性ボンド磁石材料を1999年から量産している。 Sm－Fe－Nは、環境的にも、CoやBなど化学物質排出把握管理促進法（PRTR法）の対象化学物質を含有しない希土頬磁石材料である。 その後、工程改良を重ねて磁石粉末の磁気特性と安定性などを向上させ、Sm-Fe－Nとフェライトとのハイブリッド射出成形磁石コンパウンドを上市した。 これらの状況と現在開発中の熱硬化性樹脂を用いた射出成形磁石材料について紹介する。