高磁気特性異方性ボンド磁石材料の作製とその応用

摘要

本研究では異方性ボンド磁石材料の磁気特性を向上させるため、Nd-Fe-B磁粉とSm-Fe-N磁粉の複合コンパウンドを開発し、高い磁気特性を有する極異方性圧縮成形リング磁石を作製し評価を行った。その結果粒径の大きいNd-Fe-B磁粉の周りや粒子間に、粒径の小さいSm-Fe-N磁粉が凝集することなく分散·充填することで、低加圧の成形でも高密度の成形体が得られ、さらにlO kOeという低配向磁界でも95％の高い配向度を得られる高磁気特性の複合コンパウンドの開発に成功した。また得られた複合コンパ ウンドで作製した極異方性圧縮成形リング磁石は磁気特性でも等方性の磁粉を用いた時と比べ約1.2倍の表面磁束密度及び約1.4倍の着磁面積が得られ、また配向金型の設計を変えることで三角波、正弦波、矩形波と着磁波形を制御することができる。 以上より今回得られた複合コンパウンドを用いた磁石で、モーターやセンサーの高性能化·小型化が可能になることから省エネ化に貢献できると考えられる。