日系高機能化学事業を題材とした8つの変革:グローバル利益最大化に向けたSCMオペレーションの再構築第4回

摘要

日系化学企業の高機能事業においては，川下顧客への追随などを通した海外への事業展開を積極的に進められてきており，今や海外売上高比率が7～8割を超える事業も珍しくない状況にある。その牽引となる自動車，電機·電子用途は，2008年夏以降の世界的な不況に伴う需要急減および原料価格下落といった急激な外部環境変化に見舞われているが，目下，各拠点における生産調整や現場改善，調達契約の見直しなどによる即効性のある利益創出活動に力を注ぎつつ需要回復へと備えを固めている印象である。