需要過熱から正常化へ

摘要

2008年前半のアンモニア国際市場は，肥料需要の盛り上がりや，主原料となる天然ガス価格の高騰，穀物をはじめとする商品市場の活況に起因する液安先高感などから，需要は旺盛であった。 また，原油価格の急騰に歩調を合わせるように，アンモニア国際市況は史上最高値を更新した。 さらに，天然ガス田での事故に起因するオーストラリアの輸出型プラントが長期間操業を停止したことや，夏季に旧ソ連地区でプラント定修が相次ぎ，供給が減少したことが価格高騰を助長した。 2008年のアンモニア国際価格の代表的指標である黒海FOB価格は，1月から6月までの間は，トン当たり400ドル近辺から500ドル台半ばのレンジで推移していたが，7月に入り急騰し，9月には最高値で900ドルをつけた。