古代フレスコ画の原理を応用した写真用紙:「情緒価値」による新たな写真文化の醸成

摘要

写真業界は，2000年ごろを境に銀塩プリント方式からデジタルインクジェット方式に置き換えが進hできた。ところが，デジタルデバイス技術が進化を遂げる中で，数年ほど前から写真はプリントして見るもの，残すものからデータで保管し，見たいときに液晶モニターで見るもの，さらにはSNSなどを通じて広く公開するものへ大きくパラダイム転換しつつある。こうした市場変化の中で，当社は，写真とは「プリント作品として後世に残すもの」，「部屋に飾って生活にゆとりや癒しを与えるもの」と捉え直し，これらを実現するための技術開発をスタートした。その結果，古典的な“フレスコ画法”に着目し，この画法に最新技術を吹き込むことで現代にフレスコを復活させることに成功した。この技術をベースに，100年先を見据えた写真の「情緒価値」の提供を目的としたまったく新しいインクジェット写真用紙の販売を開始した。