ランクセス、合成ゴム事業を合弁移管アラムコと垂直統合で競争力底上げ

摘要

合成ゴム世界最大手の独Lanxessは9月末，合成ゴム事業の50％をサウジアラビア国営石油Saudi Aramcoに約13億ドルで売却，折半出資合成ゴム企業形成で合意した。成熟事業の分離売却が多発する昨今であるが，今回の動きは，最大の売上比率を占める成熟分野主力事業を，下流進出をめざす産油国石油企業との「高い競争力を持つ合弁事業」に移し，中長期的な成長への布石とすると同時に，残るスペシャリティケミカル事業への投賓を保証する財務体質改善を目指すもの。原料事情の激変や過剰能力下の競争激化に直面する合成ゴム業界にも波紋を投じよう。