油価低迷と再編が加速した2015年どうなる3極化する石油産業

摘要

2015年の世相を表す漢字に「安」が選ばれた。安全保障関連法案での審議過程での国民の関心が高まったことやテロによる不安など世相を反映したわけであるが、石油とガス業界において「原油価格の安値」がこの一年を反映したわけであり、業界においてもこの漢字が当てはまる1年であった。この1年間の原油価格は、昨年11月のOPEC総会後の急落による原油価格の下落基調が止まらず、直近のドバイ原油は34ドル台と2004年以来約18年ぶりの安値となった。こうした低迷する原油価格が1985年当時の逆オイルショックと重なり、石油元売各社の経営陣の危機感が強まり、業界構造を変革させる大きな要因となって、経営統合による再編に向かわせた。今年は、戦後70年が経過する節目の年であるが、業界全体の問題を克服すべく競争力ある業界再編の話し合いを進めた結果、相次いで経営統合の基本合意を発表し、業界再編の気運が一気に高まったわけである。