水に突き落とせの電力業界の教訓

摘要

筆者は、最近議論が再び活発になってきた電力の自由化論について研究している。ふと、自宅の書庫で10年も前にエネルギー関係の出版社が出した電力自由化への対応策の本を読み返してみて、深夜に思わず笑ってしまった。その本では、有名なコンサルタント会社の著明コンサルタントが、清々と「電力企業も普通の会社になれ」、「営業マインドを持った社員を育てろ」、「組織をタコツボ化させるな」、「社内官僚として文書作成ばかりに優秀な社員を無駄遣いするな」、等の有益な提言がなされているものの、10年経過した今も、そのまま現在の電力企業に当てはまる。