いよいよ始まる排出量取引

摘要

国内排出量取引制度の試行がいよいよ始まる。 福田前首相が今年6月の「福田ビジョン」で温暖化ガス削減対策の一つとして今秋実施する方針を掲げ、産業界などに打診していた日本版の排出量取引制度の試行案を、麻生首相を本部長とする政府の地球温暖化対策推進本部が10月22日、正式に決定したもの。 中身は、①試行参加は原則個別企業かグループ。 ②12月中旬締め切りで2008年度の参加企業を募集。 ③参加希望企業は2008年度から2012年度までの年度ごとの削減目標を自主的に設定し、運営事務局へ申請。 ④事務局が目標の妥当性を審査。⑤2009年1～3月に翌年度の仕組みに反映させる試行開始に伴う課題を検討、⑥参加企業は2009年8月までに2008年度の排出量を政府に報告、年末までに排出枠の取引を通じて目標を達成、政府が検証するといったシナリオである。 参加はあくまでも任意だが、政府が正式に決定して動き出した制度の試行を民間企業がむげに拒否するのは難しいので、主要業種の大手企業はほとhどが参加せざるをえまい。 鉄鋼業界は鉄鋼連盟として参加する意向であり、石油連盟の天坊会長は、石油業界としては業界単位での参加を検討中と発言している。