原油高騰の本当の被害考はコストを転嫁できない石油会社

摘要

原油価格は2003年3月のイラク戦争以降、一貫して上昇基調にある。 一時的には2007年1月にはおりからの欧米諸国を襲った暖冬によって1バレル50ドルまで低迷したものの、2007年8月9日に欧州名門銀行BNPパリバの傘下にある三つのファンドが資金解約を凍結したことを契機として、米国に始まるサブプライムローン（信用力の低い個人向け住宅融資）問題の世界的波及によって、WTI原油価格は2007年8月の1バレル70ドルから2008年7月11日には1バレル147.27ドルと1バレル150ドルに迫る勢いを見せた。 2007年1月と比較すれば実に3倍もの高騰である。