エネ研イラン原油輸出停止のシナリオ第430回の定例研究報告で原油情勢を分析

摘要

日本エネルギー経済研究所は10月15日、第430回研究報告会を行い、プレス 向けの交換会を10月12日に行った。第430回は、「IEEJ Outlook 2019エネルギー 変革と3E達成への茨の道」と超して、発表。2050年までの世界のエネルギー需 給見通しに加え、3Eの視点から見た世界のエネルギー変革の課題を分析している。 世界のエネルギー需要の今後の増加分は、すべて非OECD地域から生じることに 注目。アジアの需給ギャップは拡大し、エネルギーの輸入依存が高まることを僻撤 して、シナリオを想定。その結果、エネルギー供給に必要な投資額が累積67兆ドル、 GDPの1．5％に相当、燃料供給と電力供給が半分ずつを占めるとの見解を示した。 報告会では、世界の電力需要が倍増し、経済社会の電力依存がますます高まってい き、これまでエネルギー安全保障の議論の中核をなしてきた石油に加え、電力の供 給障害への対応力を制度的に確保することが望まれるとしている。また、急増する アジアの電力需要は、急増する再生可能エネルギーと天然ガスのほか、安価で豊富 な石炭も主要な電源であり続け、石炭火力発電所の新設を全面的に禁止するCO2は抑制できるが、エネルギー安全保障や電力コスト問題等とのトレードオフ関係に留意する必要があるとの見解を示している。