非ステロイド抗炎症剤（NSAID）により急性尿細管間質性腎炎および微小変化型ネフローゼ症候群を呈した1例

摘要

非ステロイド抗炎症剤（nonsteroidalantilnflam－matorydrug，NSAID）は，さまざまな疾患において広く使用されている。それに伴い，NSAIDによる種々の副作用が報告されている。NSAIDによる腎障害の原因については必ずしも明らかにされていないが，プロスタグランジン産生抑制を介した機序とアレルギー性の機序が想定されている。 前者は，シクロオキシゲナーゼを抑制することによりアラキドン酸カスケードの最終産物であるプロスタグランジンの産生を抑制し，腎血流量の低下をきたすもので，高齢者や何らかの腎機能低下がある場合には腎不全をきたす可能性がつよく注意が必要である。