発達とリン代謝異常 未熟児くる病

摘要

未熟児くる病（rickets)は古くから知られていた が,現在は，未熟児骨減少症（osteopenia of prematurity) を含めて，骨発育の遅れを伴う全身性 の疾患，未熟児代謝性骨疾患（metabolic bone disease of prematurity ： MBD)ととらえられている。胎児期の骨化の80%は妊娠末期3力月に起こ るが，この時期を経ずして出生する早産児は，力 ルシゥム，リンの蓄積が少ない。さらに早産児は， 発育のためにカルシウム，リンを含めた栄養の需 要が大きいにもかかわらず，供給が不足しがちで ある。母乳栄養では絶対的なカルシウム，リン不 足に加え，相対的リン欠乏であり，人工乳では絶 対的カルシウム，リン不足に加え，カルシウムが カゼィン分画にあるため，カルシウムの吸収が低下するという違いがある。