胃癌胃全摘後挙上空腸の悪性狭窄に対しexpandable metallic stent(EMS)を用いて治療したl例

摘要

手術不能の食道癌などの悪性消化管狭窄に対して狭窄の解除を目的としたステント治療は今日広く行われ,侵襲も低くQOLの改善に有効である.今回われわれは胃癌に対し胃全摘術を施行した　 が,約1年後に挙上空腸の悪性狭窄をきたしexpandable metallic stent(EMS)を用い治療した1例を経験したので報告する.2000年12月ごろから嘔気,食欲低下を認め2001年2月近医を受診した.胃内視鏡検査で休部前壁を中心にほぼ胃全体を占める壁硬化,粘膜ヒダの肥厚を認めた.生検にて印環細胞癌を認め4′型胃癌の診断で当院外科に3月1日紹介人院となった. 3月6日手術を行ったが,術中所見では体部中心にほぼ胃全体のなめし皮様硬化を認めた.