Ⅲ．治療と予防の可能性 1．早期胃癌に対する内視鏡治療の現況

摘要

内視鏡的診断法や治療手技の進歩に伴い，早期胃癌の内視鏡的治療は大きな転換期を迎えている．ESDにより，様々な病変の一括切除が可能となり，内視鏡治療の適応拡大が模索されている．しかしESDは，メリットが大きい反面，クリアされなければならない問題点も残されている．この手技のさらなる普及のためには，長期予後の成績と，トレーニングシステムの確立が，必要である．現時点では，根治性に最重点を置き，術老の技量や施設の状況に基づいて，適応や治療法を選択すべきである．