整容性を考慮した乳房温存術 オンコブラスティックサ一ジャリ一

摘要

乳癌の手術は，最近30年間で劇的に変化した. 大胸筋，小胸筋も乳房とともに切除する胸筋合併 切除から，胸筋を切除しない胸筋温存乳房切除と なり，その後，乳房を残す乳房温存術が主流と なった.乳房温存術が始まったころは，乳房を残 すことに主眼がおかれ，残った乳房の形にはあま り注意が払われていなかった.しかし，乳房温存 術が早期乳癌の標準治療となつた近年，手術で癌 を取りきることはもちろhのこと，残した乳房の 形(整容性）も問われるようになってきた.乳房全摘術後の人工物による乳房再建が2013年に保険 適用となったことで，さらに術後の整容性が重要 視されるようになり，"根治性と整容性をめざし た手術"という意味である「オンコプラステイツクサージャリー」という言葉も普及してきた.