心血管疾患発症予防をめざした大規模臨床試験 DCCT/EDIC, UKPDS, STEN02, ACCORD, ADVANCE, VADT

摘要

DCCT終了後，通常療法群にも強化療法を施 し，治療内容を主治医に任せたうえで，さらに11 年間追跡した.観察期間中のHbA1c平均値は， 強化療法群で8.0%，従来療法群で8.2%であった. 結果は，DCCTで，当初に強化療法群に割り付け られた群で網膜症，尿中アルブミンの発症?進展 だけでなく ，心血管ィベントも42%抑制された(p =0.02).糖尿病発症早期からの積極的な治療介入 により，長期間持続していた.この効果はmetabolic memoryとよばれるようになり，1型糖尿病 の早期から，積極的に治療する重要性が示唆され た.その後，繰り返し慢性合併症の発症，進展リ スクが検証されているが，細小血管症，大血管症 ともに，当初の6.5年の強化療法の効果が長期的に持続していることが確認されている.