わが国における研究医養成の経緯と課題

摘要

著者は2007年(平成19年)4月より東京大学大 学院医学系研究科長(医学部長)を拝命した.同年, 国立大学医学部長会議の"研究推進?大学院教育 に関する小委員会"委員長も拝命した.2年間(再 選されて合計4年間となったが)の課題を立てるに あたって行ったいくつかの調査のなかで深く印象 に残ったデータがあった.それが東大医学部卒業生 の基礎医学研究者の激減という事実である(図1).本稿では，国立大学医学部長会議による全国的 な調査を経て，4大学(東大，名大，阪大，京大) 医学部長が中心となり，文科省医学教育課との交 渉を重ね，立案をし，研究医養成システムをスター卜した経緯を記載する.