脳血管疾患における血液－脳関門障害-高血圧性血液一脳関門障害血管ではオステオポンチンの発現が増加している

摘要

血管は種々の臓器に豊富に存在し，大切な栄養物質などを供給しているが，脳内の繊細な環境を厳密に保つため，脳血管には血液－脳関門と称するバリアー機構が働き，脳内環境を一定に保ち，さらには抗体や補体などの脳にとって好ましからぬ物質の血管内から脳内への侵入を防いでいる．そのバリアー機構の形態学的特徴として（図1）①小胞輸送（vasicular transport）が高度に制限され，窓（fenestration）がない血管内皮細胞で血管の内面が覆われ，その内皮細胞どうしは隙間がきわめて狭いタイト結合（tight junction）で結合されていること，②内皮細胞は，その周囲を基底膜と周皮細胞に囲まれていること，③さらにその周囲はアストロサイトの終足（end feet）で取り囲まれていること，といった複数の物理的障壁があげられる．