アロマターゼ阻害薬の閉経後乳癌治療への応用

摘要

アロマターゼはアンドロゲンからエストロゲンへの変換をつかさどる酵素であり，閉経後女性においてはエストロゲンはアンドロゲンからの変換によるため，アロマターゼ阻害薬が乳癌治療に応用されている．わが国においてはtamoxifen（TAM），tremifen，fadrozoleや黄体ホルモンが閉経後進行再発乳癌の治療に応用されているが，アロマターゼ阻害薬は第一選択治療とはされていない．本稿ではアロマターゼ阻害薬に関して概説したが，anastrozoleにおける大規模第Ⅲ相試験の結果では，TAMと同等あるいはそれ以上の有効性が示されている．現在，術後補助療法や併用療法に関しての検討が行われている．