C1qによるWntシグナル活性化と個体老化

摘要

生体は加齢に伴い老化し，最終的に死に至る.1997年に線虫におけるDaf2-Daf16経路が個体の寿命に強く関与することが報告され，その後さまざまな生物種においてそのホモログであるInsulin/IGF- I -Foxoシグナル経路が個体老化に関与することが示された.これらの発見により老化の進行過程にはあるー定の制御機構が存在することが明らかになるとともに老化制御にかかわるさまざまな経路の存在が見出された.そのなかで，2007年にWntシグナル経路が個体老化の制御に関与することが示されて以来，老化とWntシグナルの関係に注目が集まっている.